文書(ブンショ)

永続すべき状態において記録されたあらゆる意志表示、またはその意志表示が記録されている媒体そのものをいうのであって、形態(媒体)のいかんを問わない。

一般に文書といった場合、紙に記された文字情報を指す場合が多いが、刑法上は文書の概念を更に広義に捉えている。現在、刑法上の文書概念とされているのは、明治 43 年に出された「大審院判例」である。

「文書とは文字又はこれに代わるべき符号を用い、永続すべき状態において、ある物体の上に記載したる意志表示をいう」(大審院判例)

この大審院判例で重要なのは、文書を「意志表示」と捉えている点である。つまり、意志表示そのものが文書なのであって、それが記載されている「もの」が文書なのではないという点である。そしてここでいう「ある物体」とは当時は紙、木片、石、陶器、金属、皮革等を意識していたと思われる。

また、法的には図面、写真は「文書」には含まれず、「準文書」という位置づけになっている。

しかし、その後のテクノロジーの飛躍的な進歩により今日においては、更に解釈の拡大を迫られつつある。

当文書管理通信においては、これら文書の法的解釈をふまえつつも更に広義に解釈し、上記のように定義する。従って、図面、写真、録音テープ等の記録も文書の範中に含むものとする。