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DNA (日本人は簿冊好み?)

バーチカルファイリングが、なぜ定着しにくいのか、特に自治体の規模が小さければ小さいほどその崩壊率が大きくなるのか、について、発祥国であるアメリカと日本の社会環境の相違点に着目した考察が、既に行われています((「指差し 記号」の画像検索結果)文書管理通信No.57)。それによると、加えて、文書分類方式のミスマッチも影響したのでは、と論じられています。私は、更に、日本人固有の文化というものの影響もかなりあるのではないか、と考えました。「綴じる(綴じて保管する)」という所作そのものが、日本人的なものではないか、と思ったのです。

しかしながら、それを証左する文献などを見つけることはできませんでした。僅かとは言え、自身の人生経験から、結構真実味があることと思い込んでいましたが、残念な結果になってしまいました。ただ、「日本人は本が好きな国民だと思う。」という書き出しで始まる「和本への招待━日本人と書物の歴史」(橋口侯之介著、角川選書、2011/6/25)を読んでいて、その感を一層強くはしたのですが・・・

本題とは外れますが、ネットで調べている最中、いかにも日本人らしい、と個人的には思えたエピソードを一つ見つけました。以前、儒教の経書の一つ「四書」の中の「大学」という本を読んでいて、つながり具合がおかしいことに気づいた日本の儒学者がいたそうです。錯簡が原因ではと推測した彼は、意味が通るよう並べ直したところ、それが後世になってシナで発見された「大学」の古い版とまったく同じだったそうです[1]。

ところで、「保存文書総量の増加と書庫スペース不足」という事態は、常に市町村の文書管理担当者を悩ませ続けている課題です。簿冊方式からバーチカル方式に切り替えることによって、飛躍的且つ永続的に改善されるものではない、ことはこれまでの歴史が証明しています。また簿冊方式だからダメだ、ということでもなさそうです。では、どうしたら良いのか? すでに、当文書管理通信では、(「指差し 記号」の画像検索結果)「市町村に於ける保存文書総量圧縮対策と永年保存制度改革、歴史公文書等諸問題の整理」と題して、種々考察した上で、一つの提言をしています。ポイントは次の3点の合わせ技。それぞれの自治体の皆様の実態に即して、同時に取り組んでいただければ、と考えています。ぜひご一読下さい。

 (1) ファイリングシステムの整備による保存不要文書の選別と引継ぎ時廃棄
 (2) 永年、有期限保存簿冊の保存期限引き下げ
 (3) 永年保存文書のダイレクトスキャン方式での磁気画像化

<注>
 ここでいう「ファイリングシステム」とは、バーチカル方式に拘泥するものではなく、「ファイルしながら管理する仕組み」のことを称します。

[1] 「決定版 日本人論〜日本人だけが持つ「強み」とは何か?〜」
              (渡部昇一、扶桑社刊、2016/7/2)

なお、この書籍によると「錯簡というのは、今で言う乱丁落丁のようなものである。紙でできている書物が普及する前は、板や竹に書いたものを紐で綴じた書物だったので、紐が切れることがあり、綴じ直したときに狂うことがある━━それを錯簡と言った」とあります。
※ 2019年2月10日に文庫化。該当箇所はp.238〜p.240。

文書管理通信編集委員見習い 樹令(いつき・れい)

2019年6月14日


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