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事業単位編綴文書管理手法 vs. ガイドライン

 現在、()論考「日本におけるファイリングシステムの現況とあるべき姿」の第二章「簿冊型ファイリングの歴史的・文化的背景」(仮題)を執筆中です。なるべく月1回のペースで書き進めたいと思っていますが、章の内容によってはまだ行っていない調査が必要なケースもあるため、目途が立ったところで予告させていただきたいと思います。

ところで最近、上記論考を進めて行く上で、非常に重要な論文を発見しました。)「公文書管理法制度下における文書分類の課題:新たな体系化についての試案」(森本祥子著、東京大学文書館紀要第37号(2019.3))と題する研究論文です。私の眼が釘付けになった箇所は「文書を理解するうえで不可欠なコンテクスト情報* が分類体系から得られる情報には含まれていない」という重大な指摘と併せて、次のように記されている点です。

「現在の制度は、事業単位で関係文書を綴る文書管理手法が定着しているところに、文書1単位での管理を前提とするファイリングシステム的な管理手法をあてはめようとしているものであり、ルールを順守することが必ずしも文書管理の効率化につながらないばかりか、そのルールと実態の間の齟齬をつなげるための「管理のための管理」「分類のための分類」といった負担が生じているといえる。」(p.7より引用)

 興味ある方は、是非実物を読んでみて下さい。

 

* 「コンテクスト情報」:言語学におけるコンテクスト(Context)とは、メッセージ(例えば1つの文)の意味、メッセージとメッセージの関係、言語が発せられた場所や時代の社会環境、言語伝達に関連するあらゆる知覚を意味し、コミュニケーションの場で使用される言葉や表現を定義付ける背景や状況そのものを指す。例えば日本語で会話をする2者が「ママ」について話をしている時に、その2者の立場、関係性、前後の会話によって「ママ」の意味は異なる。2人が兄弟なのであれば自分達の母親についての話であろうし、クラブホステス同士の会話であれば店の女主人のことを指すであろう。このように相対的に定義が異なる言葉の場合は、コミュニケーションをとる2者の間でその関係性、背景や状況に対する認識が共有・同意されていなければ会話が成立しない。このような、コミュニケーションを成立させる共有情報をコンテクストという。 (出典;Wikipedia/樹令による脚注)

 

文書管理通信編集室 樹令(いつき・れい)

2019年12月16日


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