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講演・展示会レポート

第7回 ビジネス連座2007『明日の静岡 ら・針・盤』講演レポート その2

→ビジネス連座についての紹介や小嶋善吉靜岡市長のレポートはこちら
 
講演 2 : 横浜市長 中田 宏 氏
 

360万を越える人口を有する横浜市にあって、2002年の市長就任以来 既存のシステムを一つ一つ見直し、持続可能な財政再建に取り組んでいる横浜市の中田市長のお話です。

横浜市公式ホームページ

民間企業と比べ、ともすれば市民と行政の間では「運命共同体」の意識が希薄である。
これはひとつには“行政から市民に対しての情報開示が不足”していることに起因しているとし、財政状況を含めた情報開示の重要性を強調されています。
特に、政策決定においてはその検討過程をも含めた情報開示を行い、市民の市政への関心を高めています。
今が、そしてこれからがどんな時代なのかをしっかりと捉まえ、その中で生きていく方向性を示すのがリーダー(首長)の役割だ! と述べ、以下具体的なお話をいただきました。

 
【地方分権】

国は財政赤字のなか、その働き方を変える必要がある。(⇒ チープガバメント)
「地方分権」は国の地方自治体に対するアウトソーシングとも取れる。

 
【制度変革のためには 市民に対する徹底したアナウンスが必要】

制度の変革には、市民の理解と協力なしにはその制度の定着はありえず、そのためには徹底したPRが必要とされると言います。
一例として掲げられたのが横浜市が取り組む「G30」です。 これは中田市長自らが
“ゴミ二ュケーション”と呼ぶ「ごみ30%減量」キャンペーンのことです。

資源活用とごみ処理施設の増大防止を目的として、従前の大まかな分別から現行の10種類に及ぶ分別収集に切り替えることとしました。これを150万世帯、360万市民に周知徹底させるためには多くの労力を必要としたわけです。
H15,16年度を使い、広報誌はもとより市営交通機関、FM放送などありとあらあらゆる媒体を介して徹底したアナウンス活動を行ない、H17年度よりスタートしました。
結果目標のH22を待たずに5年も前倒し33.9%の減量をクリアできたそうです。
「G30」詳細はこちら ⇒ G30「これまでの振り返りと今後の施策展開」(横浜市)
 
【権限の委譲と職員の意識変革】
リーダー(首長)が示した方向性を具現化するのは各チームのリーダーの仕事として各部局に権限の委譲を行ったため、以前は毎日大量に行なっていた市長決裁案件は、現在は日に 電子決裁で7,8件、紙決裁で3,4件だそうです。
その分職員には責任を持ってもらっているとのことでした。
 
【不平等感の是正】
行政が自ら無駄なコストの削減を行なわなければ市民の共感は得られない!
行政コストの削減は具体的な目標値を決める必要がある。
職員数の15%削減(横浜市:34000人 → 28000人/5年間)
出張手当の見直し(近距離出張手当の廃止)
定期代支給方法の変更(1ヶ月毎の支給を→半年毎に切り替え)
税金滞納者に対しマルサ隊を結成して、払えるのに払わない収入の高い方から逐次調査し税収率の向上に努めた。
 
【財源は自ら稼ぐ】・・・ネーミングライズ
行政運営調整局に財源課広告事業推進担当を新設し、従来の税収入以外の財源として、役所の広報誌、パンフ、庁舎壁面、市営バス停、市営競技場などを中心に広告媒体として民間企業に提供することにより広告収入を得る手立てを講じた。
バス停の広告等は街の雰囲気を壊さないデザインとするため、審査を行なっており、ある意味ここに広告を掲載できると言うことが企業にとってのステータスともなり、役所と企業がwin-win な関係を築けている。
ワールドカップの決勝戦が行なわれた横浜市営競技場は、現在「ニッサンスタジアム」となっているが、機能としては従前と変わらず市民の競技場である。
このように、従来は行政が建設およびメンテナンスを行なっていた施設や、各種印刷物のコストを企業からの広告収入で賄うことが出来ており、財政再建の一助を成しているそうです。
横浜市広告事業のご案内はこちらhttp://www.city.yokohama.jp/me/gyousei/ad/
 
【 改革への取り組み方・・そして展望 】
中田市長の改革推進への取り組みは明確です。
「公共サービス=100%行政サービス」という行政任せの考え方はこれからは通らないのでは・・と述べ、
公共をつくるのに積極的に市民が参加する、その参加の仕組みを行政がつくる。
これが行政としてやらねばならない重要な役割だ!としています。
テーマごとに目的行動をとり社会貢献を目指す民間企業NPO法人ボランティア団体市民サークル等に市政への参画をいただき、市民と共に作り上げていくことにより多くの意見が吸収でき、また限られた財源の中であっても市民満足度の高いサービスが構築できるのだと言います。
市長は最後に“人は自らが参画した改革でないと満足度は高まらない!”と結ばれ、
これからは従来の縦割り改革から一歩進めて、
横展開すなわち面としての改革(=エリアマネジメント)を目指していかれるそうです。
 
【 余儀なき改革から ⇒ 創造的改革へ 】

就任から現在までの改革は、まったなし、避けて通れない改革でしたが、これからは、市民の皆様がより高い満足度を得られる改革に着手する。

余儀なき改革 (=避けて通れない改革)
 

創 造 的 改革

(=市民の満足度を高める改革)
第一歩として横浜市では、H19年度より第2と第4土曜日に区役所を開庁し市民サービスの拡張を図るそうです。 この実施に当っては職員のローテーション勤務により対応するためほとんど経費増にはならないとのことです。
「公園管理」などにエリアマネジメントを適用すれば、地域に密着した柔軟な運用が可能となり市民満足度の向上につながります。
以上のような諸々の改革が功を奏し、市が年一回実施している「市民意識調査」によると、
横浜市では年々市民満足度が上昇しているそうです。
 
編集室から 【講演を聴講して】
講演者の方々の改革にかける意気込みと、このような企画を継続して実施なさっている静岡商工会議所青年部の方々の弛まぬ努力、そして会場の熱気を
感じながら会場を後にしました。 貴重なお話をありがとうございました!
今回のレポートをこちらからPDFでご覧になれます。

文書管理通信 Mail:info@ircd.co.jp
平成19年2月レポート 報告者:「文書管理通信」編集主幹 中村信幸

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