2024年
3月
掲載記事
雑誌情報
書籍情報
寄稿論文
編集室員論文
最新の特集記事
過去の記事検索
バックナンバー
(1〜55号)
既刊+Web版
記事検索
過去のレビュー
講演・展示レポート
主催・共催セミナー
YouTube講演
直近で実施したセミナー
過去のセミナー
招聘講演

講演リスト

ご利用ください
文書管理用語集
編集室だより
最新送稿
編集主幹紹介
過去の編集室だより

文書管理通信について

小紙の記事構成
「文書管理通信」の歴史
文管ギャラリー
TOPページ変遷
プライバシーポリシー

トップ 文書管理通信過去のレビュー

文書管理通信第11号

特集は「地方自治体におけるファイリングシステム(第1回)」です。日本におけるファイリングシステムは、昭和30年代の後半から40年の前半にかけて、地方自治体においてファイリングブームともいうべき現象がおこりました。昭和の大合併により合併前の異なるシステムを統一するための新たなファイリングシステムが必要だったためです。しかし、残念ながら、昭和57年の調査では、市区で36%、町村区では73%の団体がシステムを崩壊させています。
昭和50年にはいるとコンピュータの普及が事務環境を一変させます。「ペーパレス」の希望も空しく、OA機器の普及と共にオフィス内の紙は増加し続けています。更に、地方自治体の範囲、サービスの増加が文書の増加に拍車をかけている状態です。
加えて、地方自治体では、文書館と情報公開、行政文書のA判化により新たなファイリングシステムの構築が求められています。
ファイリングシステム構築の目的は、(1)文書取扱事務の効率化(2)適正保存、適正開示(3)事務(労働)環境の整備、災害対策(4)歴史的価値を有する行政文書の保存、と述べられています。特に(4)歴史的価値を有する行政文書の保存は、各文書を保存期間がきれたからといってすべて廃棄してしまうのではなく、歴史的価値のある行政文書が廃棄されることがないような基準づくりが必要です。
ファイリングルールについては、@〜Hの最低条件が掲げられています。この条件が充たされていれば運用面で多少の問題があったとしても、そのことによってファイリングシステムが崩壊することはないとしています。
最後に記事は、今日の状況における、従来の個人の対応能力をはるかに超えた文書量に対応するためには、コンピュータによるファイリングシステムのサポートが不可欠であるとしています。
「市町村文書保存担当者講習会 栃木県」の記事では、講習の内容が文書館の問題のみならず、地方自治体のファイリングシステム、情報公開の面まで踏み込んでいる。文書を中心に考えれば、発生から廃棄、永久保存に至るまでその管理主体は変わっても、公文書が地域住民の旧友財産であることにかわりはない。それぞれの管理主体どうしが有機的に関連をもち、お互いに理解しあい協力体制をとることが大切であるとしています。

文書管理用語定義集(第4回)
簿冊、現用文書、半現用文書、非現用文書、集中管理、分散管理、引継、積み上げ方式、割付方式について定義しています。積み上げ方式、割付方式は文書の分類を原課が決定するか、既に文書管理課が決定した分類に文書を当てはめるかによって、前者を積み上げ方式、後者を割付方式と呼んでいます。実際には、両者の折衷方式をとるケースが多いのだそうです。

“紙”を考える(第5回)は、紙を劣化させる原因、物理的要因、科学的要因、生物的要因に大別できます。今回は、科学的原因の「相対湿度」について解説しています。紙は高温で湿度が高いと劣化します。そして、紙は常に周囲の湿度と同じになろうとし、湿度の上下を繰り返すと紙の細胞膜が堅くなり柔軟性を失っていきます。さらに、空気中の硫黄酸化物、窒素酸化物が水分と共同作用し、硫酸、硝酸となって紙をいためるとあります。高温多湿で、気温差のある日本での紙の保存は難しいのですね。

書評は、2冊ともに行政文書のA判化についての書籍です。A判化によって小学生のランドセルも大きくなりました。A判化によって、いろいろなところで対応が必要になると思います。当時は大変だったのでしょう。今となっては、A判化とさえ言わないくらい普通のことになっています。

 

 

文書管理通信第11号全部をPDFでご覧になりたい方はこちらへ!

文書管理通信第12号

特集「地方におけるファイリングシステム(第2回)」
昭和30年代後半から始まったファイリングシステムは10年も経ずしてそのほとんどが崩壊しました。原因としては、ファイリングシステムを維持するための、「不自由さ」にあります。この「不自由さ」を一人一人の職員が引受けなければならす、時間の経過とともの「不自由さ」を感じさせる要素は次々と切り離されていったことにあります。そうして、文書の検索も不確実になり、文書は属人化し、担当者だけがわかっていればよいという状態へと戻っていきました。
昭和50年代からファイリングシステムを構築した市町村は、この時期に生じた人口増加による、事務量と文書量の増加により、本来のファイリングシステムをとおして文書の共有化、事務の効率化を求めました。しかし、このファイリングシステムも崩壊しました、原因は、ここでもファイリングシステムにまつわる不自由さを克服できなかったことです。
それでも、システムを継続し続けている地方自治体はこの「不自由さ」に対する手だてを持っていました。制度としての強制力と、システムを維持するための「人手の確保」と「コストの確保」です。相模原市の人口は1992年9月1日現在549,161人です。それに対して、ファイリングシステムに携わる職員は8人(静岡県内で行ったアンケート「1993年1-2月号掲載」では保存文書の管理の専任職員は多い市町村でも1.6人)です。しかし、専任職員の数の確保がファイリングシステムの維持に欠かせない要件であることはわかっていても、すべての市町村でファイリングの職員を増やせないのが現実です。これは「コストの確保」とも関係しますが、行政改革にみられるように「人手とコストの削減」が自治体において最重要課題のひとつになっている点からもうかがえます。
今日のファイリングシステムの課題は、保管文書(現用文書)をいかに共有するかです。保管文書は、今現在進行中の文書であり、使用される頻度も高く、属人化していき、システムを崩壊させる原因となります。
この保管文書の共有化を実現する可能性をもつのが、コンピュータを利用した新たなファイリングシステムです。ここでは、広島市の事例「試行文書管理システム」が紹介されています。注目すべきは、文書の発生から保管期間に至るまで電算システムが拡大されている点にあります。
最小限の「人手」「コスト」でファイリングシステムを維持していくために新しいかたちのファイリングシステム、電算支援ファイリングシステムの可能性が求められます。

災害と資料保存
平成5年10月29日未明、栃木県西那須野町立郷土資料館が全焼しました。幸にも収蔵庫は無事でしたが、展示品は大きな被害を被ったとのことです。災害に見舞われた場合に、いかに資料を残すかという点では、現在とれる最良の方法は資料の複製をつくりオリジナルから遠く離れた場所で保管するということです。
文書管理用語定義集(第5回)
今回は、紙に関することばの定義です。
A判、B判、A判化、ペーパーレス、レスペーパーです。「レスペーパー」は耳慣れないことばですが、「情報を記録する媒体としての紙の使用量を減らそうという考え方。」だそうです。
“紙”の問題を考える(第6回)
紙の劣化の原因の一つである、酸化による劣化についての説明。
空気中に存在する酸素によって、紙は常に酸化されています。この現象によって中性であった紙が酸性紙になるケースもあるそうです。また、温度が高くなることによって化学反応の速度が増すため、室温が高い場合には酸化の速度が早まることになります。

書評では『文書A判化ガイドブック=A判への移行からOA化まで=』を紹介しています。
この書籍は、行政文書のA判化を、単に文書サイズの変更としてではなく文書事務の改善ととらえる人にとって、多くのアイデアとノウハウを与えてくれる一冊です。

文書管理通信第12号全部をPDFでご覧になりたい方はこちらへ!


Copyright(C) 2005 NPO Ageing Bright Club. All Rights Reserved.
E-mail:info@bunkan.jp