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文書管理通信第39号

第39号の特集は「阪神・淡路大震災における文書等所蔵施設被害調査アンケート実施結果」報告T」豊田美香・福重綾子(西宮市総務局行政部市史編集室)です。
1995年1月17日の阪神・淡路大震災から既に3年が経過しました。この未曽有の大災害については、本誌においてもこれまでに3回にわたって特集を組んできました。しかし、この大災害の教訓が生かされないまま、震災そのものが忘れ去られようとしています。
1997年3月文化庁による科学研究費の助成を受けた『美術工芸品等の防災に関する調査研究』(研究代表者中野照男 東京国立文化財研究所)と題する報告書が発行されました。この報告書の中に「阪神・淡路大震災における文書等所蔵施設被害調査アンケート実施結果」があります。これは、豊田美香、福重綾子(西宮市行政資料室:言西宮市史編集室)の両氏が奥村弘氏(神戸大学文学部助教授)の指導のもと辻川敦氏(尼崎市地域研究史料館)の協力を得てまとめたものです。
これはあのような大災害でのスチール棚、キャビネット、またそれらの中に置かれていたものの状況、震災後の職員の勤務状態、復旧までに要した時間等について調査したもので、これから災害対策をたてる上で必要不可欠な情報です。
アンケートの調査時期は平成8年7〜8月、対象施設は23カ所。震度4以上の被災地域内にある文書等保存施設及び機関です。対象施設には、京都府立総合資料館、大阪大学経済学部資料室、神戸市立文書館等があります。

インフォメーションとして「静岡県歴史文化情報センター開設」の記事が載っています。
静岡県は平成10年3月をもって完了した県史編さん事業において収集した資料を引き継ぐ施設として同4月に静岡県歴史文化情報センターを開設しました。
同センターは県史編さん事業の中で作製された県内外に残されている文書や絵画資料の写真やマイクロフィルム約16万点を所蔵しています。諸家文書、行政文書の他にも考古遺物実測図や民族写真、明治以降に県内で発行された新聞、行政資料、統計資料など、その内容は考古から現代に至り多様です。
同センターでは取集した16万点の資料のうち40%にあたる約6万点の画像と文字情報を平成12年までにデータベース化し、約4000件の諸家文書については所蔵者の許可を得た上で、順次公開していく予定です。この試みは検索手段の不備によって死蔵されがちな資料に活用の道を開くものです。

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文書管理通信第40号

第40号の特集は前号に引続き「阪神・淡路大震災における文書等所蔵施設被害調査アンケート実施結果報告U」です。作成者は、豊田美香・福重綾子両氏です。
この記事では、アンケート集計として、什器、複柱式書架、雑誌書架、裾開式書架、集密式書架、物品棚、キャビネット等収納家具、マップケース、カードケース、マイクロキャビネット、所蔵資料等、資料、震災記録についての被害状況等が表になって掲載されています。
まとめとして、被害実態からの教訓としていえることは、(1)建物の中のどこに配置されるか。(2)什器をどのように配置するか。(3)資料をどのように保存するか、の3点です。
問題点としては、(1)復旧補助金の申請が原状復帰に限られ、安全対策が認められるのは観客などの対外的な部分のみであること。災害が起こった場合、観客等を安全に避難させるのは職員であるのに、その責務が果たせない可能性がある。(2)文書等文化財保存施設として、これらを守る役割を担っていることに対して市民、機関内(特に親機関)の理解を得られにくいこと、機関同士の援助が受け入れにくいこと、緊急的措置を講じるのにどの機関へ連絡すべきかわからないこと=ネットワーク不足。(3)記録の収集保全機関であるにもかかわらず記録を残していないこと、博物館・美術館・図書館関係に比べて、文書館関係の組織的な被害調査が行われなかったこと、を指摘しています。
この報告には被害が発生した原因とともに、被害を最小限に抑えた原因等様々な情報がまとめられています。
史料を後世に伝え、残された史料をもとに歴史を研究するのは「過去に学ぶ」ためです。我々はこの貴重な報告から何を学ぶことができるのであろうか。と記事では述べられています。大震災という曲面だけではなく、今この瞬間のなんでもない時の記録を保存することの大切さを感じました。

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