平成の大合併前後に、統合(総合)文書管理システムが登場する。
もちろん既に触れたように平成 4 年以降の広島市や足立区のような、コンピュータによる文書管理事務の効率化の試みは先駆的に存在したのであるが、ここでは自己開発に較べれば相対的に安価(註3)な、いわゆるパッケージソフトとして各メーカーが販売を開始したことが重要である。( WEB サイトでちょっと調べただけでも、 NEC 、富士通、日本ユニシス、日立製作所などなど、10社以上から製品が販売されているようである。)
同システムの登場は、現象的には前 2 者同様に前時代には無かった条件としてこの時期の大きな変化の一つに数えられるが、一方その質の面、あるいは因果関係から見た場合、同システムは、5−1の情報公開法成立、5−2の高度情報化社会と電子自治体構想の進行の 2 つの変化に付随して求められた文書管理の高効率化の唯一の手段としてこの時代に登場したと位置付けることができる。
中央省庁においては、平成9年度以降に順次統合(総合)文書管理システムが導入され、全国的な統計は見出せないためあくまで推測であるが、地方自治体においてもおそらく総数の10%内外の団体で統合(総合)文書管理システムの全てもしくはその一部の導入が行なわれているものと思われる。
文書管理通信では、平成18年1月に全国の既合併団体宛に、統合(総合)文書管理システムの導入状況を含むアンケート調査を実施する。
この調査の中で明らかになるものと思うが、この時期(平成の大合併期)の合併を契機として統合(総合)文書管理システムを既に導入されたか、あるいは合併後の導入を具体的に計画している団体はそれなりの数に上るのではないかと考えている。
国の施策(後押し)の現況から見て、おそらく今後の5〜10年の間にほとんどの市区町村に同システムが導入されてゆくのではないだろうか。 |